高齢者の大学院入試・大学入試

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高齢者の大学院入試・大学入試1. 高齢者が大学・大学院に進学する理由

近年、人生100年時代と言われるようになり、高齢者の学び直し(リカレント教育)への関心が高まっています。高齢者が大学や大学院を目指す理由には、以下のようなものがあります。

  • 知的好奇心の追求
     長年の仕事や子育てが一段落し、学び直しに興味を持つ人が増えています。哲学、歴史、心理学、芸術など、純粋に学問を楽しむ目的で入学する人も多いです。

  • 資格取得やキャリアチェンジ
     例えば、社会福祉士や行政書士などの資格取得を目指して大学や大学院に入学するケースもあります。再就職や副業に役立てたいという人もいます。

  • 生涯学習としての学び
     趣味として学び続けたい、学ぶことで人生を充実させたいという動機もあります。特に文系学問や芸術系の分野で人気があります。

  • 社会とのつながりを持つため
     定年退職後に社会との接点が減ることを防ぐために、大学での学びを通じて新しい人間関係を築くことも目的の一つになります。


2. 入試制度と受験のハードル

高齢者が大学・大学院を受験する際の入試制度は、多くの場合、一般入試と社会人入試(推薦・特別選抜)に分かれています。

  • 年齢制限の有無
     日本の大学や大学院の入試には年齢制限がほとんどなく、何歳でも受験できます。ただし、一部の専門職大学院(医学部など)では年齢制限が設けられている場合があります。

  • 一般入試 vs. 社会人入試
     多くの大学では、通常の一般入試のほかに、社会人向けの特別選抜を実施しています。社会人入試では、論文や面接が重視され、学力試験が免除されることもあります。

  • 求められる学力レベル
     一般入試では、現役生と同じレベルの学力が必要になります。一方で、社会人入試では、職務経験や研究計画が重視されることが多く、学力試験の比重が低いことがあります。

  • 入試対策
     高齢者の場合、長年勉強から離れていることが多いため、入試対策として予備校の活用や通信教育を取り入れるのも一つの方法です。


3. 通信制大学・大学院の選択肢

近年、通信制大学やオンライン大学院の選択肢が増えており、高齢者にとっても学びやすい環境が整っています。

  • 通信制大学のメリット
     ・時間や場所に縛られずに学習できる
     ・スクーリング(対面授業)が少なく、通学不要な場合もある
     ・仕事や家庭と両立しながら学べる

  • 主な通信制大学・大学院
     ・放送大学(全国対応、学費が安い)
     ・星槎大学(生涯学習向けのカリキュラムが豊富)
     ・慶應義塾大学通信教育課程(社会科学系が充実)
     ・日本大学通信教育部(法学部や経済学部が人気)

  • 注意点
     ・スクーリング(対面授業)が必須の科目がある場合がある
     ・自学自習が基本なので、モチベーション管理が重要
     ・大学院の場合、修士論文の指導体制を確認する必要がある

通信制大学は、高齢者にとって通学の負担が少なく、学び続けやすい選択肢の一つです。


4. 学費・奨学金・金銭的負担の軽減方法

大学や大学院に通うには学費が必要ですが、高齢者向けの支援制度もいくつかあります。

  • 学費の相場
     ・私立大学:年間100~150万円程度(通信制は30~50万円程度)
     ・国公立大学:年間50万円~60万円程度
     ・大学院:年間50万~150万円程度(研究科による)

  • 奨学金・学費免除制度
     ・日本学生支援機構(JASSO)の貸与・給付型奨学金
     ・各大学の社会人向け奨学金制度
     ・自治体や企業の助成制度(特定分野の研究者向け)

  • その他の学費軽減方法
     ・シニア割引制度(放送大学など一部の大学で実施)
     ・教育ローン(日本政策金融公庫などが提供)

特に、放送大学は学費が安く、高齢者の生涯学習にも適しているため、人気があります。


5. 高齢者学生の学びの実態とメリット・デメリット

高齢者が大学・大学院で学ぶ際の実態や、メリット・デメリットを整理します。

メリット

人生の充実感が増す
 新しい知識を得ることで、日常に刺激が生まれます。

若い世代との交流
 世代を超えた交流が生まれ、新しい価値観を学ぶ機会になります。

社会復帰や再就職の可能性
 資格取得や専門知識を身につけることで、新しい仕事に挑戦できる場合もあります。

認知症予防にも役立つ
 学ぶことは脳を活性化させ、認知症予防にもつながるとされています。

デメリット

体力・集中力の低下
 長時間の講義や試験に体力的な不安を感じることも。

勉強の負担が大きい
 長年勉強から離れていた場合、学習スピードに苦労することがあります。

就職活動のハードル
 年齢を重ねた後の就職は厳しい場合があり、キャリア目的の場合は慎重に計画を立てる必要があります。

学び続けるためのコツ

💡 学ぶ目的を明確にする(何を得たいのか明確にする)
💡 無理せずマイペースで進める(通信制や聴講生制度を活用する)
💡 勉強仲間を作る(オンラインコミュニティや勉強会に参加する)


まとめ

高齢者の大学・大学院入試は、近年ますます注目されています。通信制の活用や奨学金制度を利用すれば、学びのハードルも下がります。学び直しは人生を豊かにする素晴らしい選択肢なので、目的を明確にし、自分に合った方法でチャレンジするとよいでしょう。

 

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