子宮筋腫は、子宮の筋肉の塊である良性の腫瘍です。30~40代の女性に多く見られ、50歳までに約50%の女性がかかるといわれています。子宮筋腫は、大きくなるとさまざまな症状を引き起こすことがあります。ここでは、子宮筋腫の症状や治療法、予防法などについて、わかりやすく解説します。子宮筋腫で悩んでいる女性の参考になれば幸いです。
1.子宮筋腫は、子宮の筋肉の細胞が増えてできる、良性の腫瘍です
子宮筋腫は、子宮の内膜に接する「漿膜下筋腫」、子宮の筋肉層にできる「筋層内筋腫」、子宮内腔に突出する「粘膜下筋腫」の3つのタイプに分けられます。子宮筋腫の原因は完全には解明されていませんが、女性ホルモンのエストロゲンやプロゲステロンの影響で発症すると考えられています。
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2.子宮筋腫の症状
腫瘍のサイズや位置によって異なります。子宮筋腫は、子宮の筋肉にできる腫瘍で、がん(悪性の腫瘍)ではありませんが、貧血や痛みなど様々な症状の原因となります。主な症状としては、月経量が多くなることと月経痛があります。その他に月経以外の出血、腰痛、頻尿(トイレが近い)などがあります。また、子宮筋腫が大きくなると便秘や頻尿などの症状があらわれることもあります。
子宮筋腫の種類によっても症状が異なります。子宮の内側にできた筋腫は小さくても症状が強く、月経量が多くなります。逆に子宮の外側にできた筋腫は大きくなっても症状がでない傾向があります1。そのため、治療必要かどうかもできた場所や症状によって異なってきます。そのため、治療必要かどうかもできた場所や症状によって異なってきます。
3.子宮筋腫の治療法
子宮筋腫の治療方法には、薬物療法、手術療法、カテーテル治療などがあります。薬物療法には、対症療法と偽閉経療法の2つの選択肢があります。対症療法は、子宮筋腫による過多月経や過長月経、月経痛などの諸症状を緩和するための治療法で、鉄剤の処方や非ステロイド性抗炎症薬の投与、低用量エストロゲン・プロゲスチン配合剤の投与などが行われます。手術療法は、筋腫だけをくり抜いて取る「筋腫核出術」と、「子宮全摘術」の2つに大別されます。また、カテーテル治療では子宮動脈塞栓術があります。
4.子宮筋腫の予防法
子宮筋腫は女性ホルモンの一種・エストロゲンによって引き起こされる疾患なので、予防法としてはエストロゲンを下げる偽閉経療法などが考えられます。また、妊娠出産をすることが予防になります1。さらに、積極的な方法としては、足湯や腰湯をおすすめします2。足湯は、風呂の湯より少し熱いくらいのお湯をバケツなどにはり、ひざ下10センチ程度、三陰交というツボが十分隠れるくらいの位置まで浸して、30分くらい温めることも重要です。